ベトナム・カンボジア・タイ向けキャッサバ用病害虫画像診断システム「アグリショット・キャッサバ」を九州大学と共同開発
九州大学の高須先生との共同研究により、
Facebookメッセンジャーを使って病徴を示すキャッサバ株の写真を送れば自動的に病徴の原因となる病害虫名が返送される画像診断システム「アグリショット・キャッサバ」をベトナム、カンボジア、タイ向けに開発しました。
(開発背景)
キャッサバは、主にアフリカや東南アジアで栽培されているトウダイグサ科の多年生木本で古くから塊根(でんぷん質を蓄えた根が丸く膨らむ植物)を食料として利用している作物です。
日本で主に工業用デンプンやタピオカの原料として、タイ、ベトナム、カンボジアから年間1万トン以上を輸入しています。
近年の気候変動や国際物流の急速な増加に伴い侵入病害虫の作物への被害が世界各地で増加しており、東南アジアのキャッサバにも大きな被害が出ており、
また、病気に罹患した種苗が市場に流通することで、生産量が減り、農家の収入減少にも繋がっているという現状でした。
キャッサバの増収は、零細農家の収入増加、加工工場での地域雇用の増加、外貨獲得、バイオマス利用、政策提言など相手国への利益をもたらすとともに、国内や現地のキャッサバ関連日本企業にも大きく貢献します。
そのため、科学技術振興機構(JST)と国際協力機構(JICA)の地球規模課題対応国際科学技術協力プログラムにおいて九州大学が日本の代表研究機関となり、ベトナム、カンボジアおよびタイにおいて植物病害診断キットや害虫の生物的防除による病害虫管理技術の開発、健全種苗の生産・栽培システムの開発、健全種苗を利用した持続的生産システムの構築と普及の国際共同研究プロジェクトを行っています。
(実績)
教師画像は九州大学から提供いただき、病害虫被害と除草剤被害を8クラスに分類しました。
「Papaya mealybug」「Jack Beardsley mealybug」「Cassava mealybug」「Whitefly」「Red mite」「Cassava witches’ broom」「Cassava mosaic disease (CMD)」「Herbicide」
10分割交差検証による識別率は、適合率96.4%、再現率95.9%となりました。
対応言語:ベトナム語版、クメール語版、タイ語版、英語版
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